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宮崎政光さん作品展
2008/08/24日曜日 浜松市西区雄踏町図書館

展示期間6/25~8/24の最終日におじゃまして新作を中心にお話を伺いました。

先ずはこの木鼻から
「今回の最新作がこの木鼻です。作品展の直前に完成しまして、2つで約1ヶ月ほどかかりました。自分としては木鼻の感じが掴めて早く彫れるようになったと思います。」

すぐ屋台に付けてもしっくりきそうですね
「材料はお寺の古材で欅です。硬くて、彫ったところが2、3日経つと木の油がスッと出てくるんです。おかげで新作なのに古い彫刻みたいな感じになりました。」



いい表情です(^^)
「意匠としては特に吽形の方は立川流などの伝統的な作風を意識しています。完全な振り面ではなく、門に付いていて上に力神が乗るような感じを狙ってみました。毛並みとか、もう少し細かく仕上げてもよかったかもしれませんが、屋台に付く彫刻ですと粗さが残るぐらいがいいのかなと。それとこの作品に関しては、特に目に新しい試みを施してみました。(写真だとわかりにくいですが)金色の部分を断面が丸くなるように彫り込んで、中心の黒目がより立体的に見えるように工夫しています。

どの方向から見てもこの部分が光って目が引き立つんですね。これからもいろいろやっていくつもりですが、今のところ自分にはこれが一番合うように思います。余談ですが下絵の落款を意匠変更してみました。縁起ものの瓢箪です。」

前回制作中だった龍(欅材)

置物・手鞠獅子(欅材)

木鼻の獅子とはだいぶ表情が違いますね
「これは龍の余材で彫ってみました。屋台の彫刻ですと、どうしてもこう睨みを効かせて迫力を出したり、下から見上げることを計算して彫るのですが、置物は同じ目線で見ますから、誰が見てもわかりやすい親しみのある表情にしてみました。苦労したのは毬の彫り抜きです。台座と一体ですから刃の入る角度が限られてしまうので、なかなか大変でした。」

置物・麒麟(欅材)

「これも龍の余材です。置物の獅子と麒麟とで約1ヶ月ぐらいかかりました。実は麒麟は初めてであまり自信がないのですが、見ていただいた方の中にはこれがいいとおっしゃる方もいて、人によって見方や好みは様々なんだなと改めて実感しました。」


「期間中多くの方に足を運んでいただき、とても感謝しています。直に皆さんの意見が聞けるのはとてもいい勉強になります。龍や獅子は感じが掴めてきましたので、これからは花鳥や鳳凰とか人物などを課題として取り組みたいですね。あと厚い材料を活かして彫れるようになっていきたいです。」

と作品展を振り返る宮崎さんでした。伝統的な作品に学びつつ自分流の作風を模索されているようです。今後のご活躍期待しています。ご協力ありがとうございました。
2008/08/28

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